札幌「味の三平」なぜ文具店ビルに?閉店の噂の真相と現在の姿
日本全国に数あるご当地ラーメンのなかでも、圧倒的な知名度と歴史を誇る「札幌味噌ラーメン」。その揺るぎない原点として国内外のファンを惹きつけてやまない名店が、札幌市中央区に暖簾を掲げる「味の三平」です。文房具専門ビルの4階という極めて異色のロケーションにありながら、フロアには香ばしい味噌とラードの香りが漂い、連日絶え間ない行列が生まれています。
一方で、検索エンジン上では「閉店」「営業休止」といった不穏なキーワードが散見され、旅行者やファンの間で懸念の声が上がることもしばしばあります。数々の伝説を生み出してきた元祖の店に一体何が起きているのか。現地取材の最新情報をもとに、閉店説の真相から文具店ビルで営業を続ける理由、名物メニューの魅力まで余すところなく掘り下げていきます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:ネット上で浮上した「閉店の噂」は事実無根であり、大丸藤井セントラル4階で現在も元気に通常営業を継続中。
- 要点2:文房具店ビルに入居する理由は、昭和40年代のビル建設時に創業者の人柄と味に惚れ込んだビルオーナー直々の熱烈な誘致があったため。
- 要点3:初代・大宮守人氏と西山製麺が二人三脚で生み出した元祖味噌ラーメンと、知る人ぞ知る名物「シューマイ」の黄金コンビは今なお健在。
【真相解明】ネットで囁かれる「閉店の噂」は本当か?現在の営業状況
結論から申し上げれば、札幌の「味の三平」は2026年現在も変わらず大丸藤井セントラル4階で元気に営業を続けています。「閉店してしまったのではないか」という噂がネット上で飛び交うようになった背景には、いくつかの明確な要因が重なっていました。
大きな発端となったのは、過去の社会情勢に伴う一時的な休業や時短営業、さらには大丸藤井セントラル全体の改装工事に伴う休業スケジュールが、SNS等で断片的に拡散されたことです。加えて、歴史ある名店ゆえに歴代店主の高齢化や世代交代をめぐるファンの心配が過熱したこと、また道内外に存在する「三平」を冠した別系列店舗や暖簾分け店の閉店情報と混同されたことが重なり、検索エンジンのサジェスト欄に「閉店 理由」という不穏な言葉が定着してしまいました。
しかし、カウンター越しに麺をリズミカルに湯切りする威勢の良い音と、立ち上る湯気は今も健在です。長年通い詰める地元常連客から噂を聞きつけて訪れる国内外の観光客まで、元祖の一杯を求める人々で店内は連日活気に満ちあふれています。
なぜ文房具店ビルに?「大丸藤井セントラル4階」に佇む歴史的背景
「味の三平」を初めて訪れる人が一様に驚くのが、その立地です。札幌有数の大型文房具専門店「大丸藤井セントラル」のエレベーターを降り、ペンや画材、紙製品が整然と並ぶ売り場を進むと、突如としてラーメン店の白い暖簾が現れます。飲食店街フロアですらない文具売り場の一角に、なぜラーメン店が存在しているのでしょうか。
その原点は、昭和43年(1968年)に大丸藤井セントラルの前身ビルが新築された時代まで遡ります。当時、狸小路周辺で連日大繁盛していた「味の三平」の味と、創業者・大宮守人氏の誠実な人柄に深く惚れ込んでいた当時の大丸藤井トップが、「ぜひ新ビルに入居してほしい」と熱烈なラブコールを送ったのがきっかけでした。
通常、百貨店や専門ビルでは火災予防や匂い移りの懸念から飲食店の誘致フロアを限定しますが、同ビルは強力な排気設備と防火対策を特別に施してまで三平を迎え入れました。画材や高級ステーショナリーの静寂と、ラーメンをすする活気が同居するこの不思議な空間は、半世紀以上にわたる企業同士の厚い信頼関係が生み出した札幌ならではの文化遺産と言えます。
味噌ラーメン発祥の歴史|初代・大宮守人と西山製麺が起こした革命
「味の三平」を語る上で欠かせないのが、日本の麺文化を根底から変えた「味噌ラーメン発祥」の歴史です。終戦直後の1950年に屋台からスタートした三平の初代店主・大宮守人氏は、常に「一杯で栄養が取れ、身体を芯から温める滋味深いラーメンは作れないか」と思索を重ねていました。
転機となったのは、スイスの食品メーカー創業者による「味噌は日本が誇るべき最高の栄養食である」という言葉への着眼でした。守人氏は全国から多様な味噌を取り寄せ、豚骨をベースにしたスープと合わせる試行錯誤を幾度となく繰り返します。客の要望に応じて豚汁に麺を入れて提供した実験期間を経て、1954年(昭和29年)頃に世界初となる「味噌ラーメン」を正式にメニュー化しました。
さらに特筆すべきは、札幌ラーメンの代名詞となった「ちぢれ麺」の誕生です。守人氏は当時麺を納入していた西山製麺の創業者・西山孝之氏に対し、「スープをしっかりと抱き込み、噛み締めたときに味噌の風味に負けない弾力を持つ麺を作ってほしい」と要望を出しました。両者の執念が実を結び、多加水の熟成縮れ麺が完成。この二人三脚の開発劇こそが、今日に続く「札幌ラーメン」という一大ジャンルを決定づけた金字塔となりました。
その後、店は長男である2代目・大宮登氏へと継承され、父から受け継いだ元祖の製法と哲学を頑なに守り抜くことで、時代の波に流されない確固たるブランドを築き上げています。
【2026年最新】メニューと値段一覧|元祖の味噌から激辛「鉄火麺」まで
現在のメニュー構成は、無駄を極限まで削ぎ落とした王道のラインナップとなっています。昨今の原材料費や光熱費の高騰を受けつつも、守り継がれる品質に見合った納得の価格設定で提供されています。
味の三平の味噌ラーメンは、現代の濃厚こってり系ラーメンとは一線を画します。スープの底に仕込まれた特製味噌を、食べる直前に客自身が底からしっかりとかき混ぜて完成させるのが伝統の流儀。スープは白味噌ベースで野菜の甘みが溶け込み、後味は驚くほどすっきりとしています。具材にはチャーシューではなく、炒めたひき肉とシャキシャキの玉ねぎ、もやしがたっぷりと盛られているのが元祖の証です。
激辛派から絶大な支持を集める「鉄火麺」は、単に辛いだけでなく、ベースとなる豚骨清湯スープのコクと味噌のまろやかさが際立つ完成度の高い逸品です。また、卓上に置かれた「辛味噌」や「特製一味唐辛子」を使って、自分好みの味へとカスタマイズしながら食べ進めるのも通の楽しみ方として定着しています。
ラーメン前に必食!名物「シューマイ」の評判と通が唸る食べ方
「味の三平」を訪れてラーメンだけを頼むのは、あまりにも惜しい選択です。暖簾をくぐる常連客のほぼ全員が席に着くなり注文するのが、知る人ぞ知る名物の「シューマイ」です。
大ぶりでふっくらと蒸し上げられたシューマイは、豚肉本来のジューシーな旨味と玉ねぎの芳醇な甘みがぎっしりと詰まった珠玉の味わい。ラーメンが着丼するまでの間、蒸したてのシューマイを特製タレとカラシでつまみながら待つ時間こそ、三平における至高の過ごし方とされています。
「肉汁が溢れるのに脂っこくなく、何個でも食べられる」「持ち帰りにして自宅の晩酌の供にしたい」と口コミでも絶賛されており、昼過ぎには仕込み分が完売してしまうことも珍しくありません。訪れた際は、ぜひ迷わずラーメンと一緒に注文することをおすすめします。
行列必至の混雑状況と待ち時間|狙い目の時間帯と営業時間まとめ
席数はカウンター約13席のみとなっており、食事時の混雑は避けられません。特に旅行シーズンや週末には、4階の文具売り場に沿って敷設された専用待機スペースに長い行列が形成されます。
平日のピーク時(12:00〜13:30)や土日祝日は、30分から1時間程度の待ち時間が発生するのが常です。ただし、スタッフの連携による着席前の事前注文受け付けや手際の良さにより、座席数から想像する以上に回転はスムーズです。
比較的並ばずに入店するための狙い目は、開店直後の11:00〜11:30、もしくは昼のピークが引いた14:30〜16:00のアイドルタイムです。ただし、夕方近くになるとスープや名物シューマイが売り切れて早仕舞いする可能性があるため、確実を期すなら15時前までの訪問が安全です。
【札幌 味の三平】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:現在の営業時間は何時から何時までですか?定休日はありますか?
A1:営業時間は原則として11:00〜18:30(スープがなくなり次第終了)です。定休日は毎週月曜日および第2火曜日となっています。ただし、入居している大丸藤井セントラルの休館日に準じて臨時休業となる場合があるため、訪問前の確認を推奨します。
Q2:車で行く場合、専用の駐車場は用意されていますか?
A2:味の三平専用の駐車場はありません。大丸藤井セントラルの特約駐車場(カモンチケット加盟駐車場など)を利用するか、大通駅周辺のコインパーキングを利用するのが便利です。地下鉄「大通駅」直結の地下街からも近いため、公共交通機関でのアクセスが最もスムーズです。
Q3:小さな子ども連れや車椅子での利用は可能ですか?
A3:店内はカウンター席のみで通路幅も限られているため、ベビーカーのまま横付けしての食事はやや難度が高い構造です。ただしビル自体にはエレベーターが完備されており、バリアフリー設計となっています。着席して食事が可能なお子様連れであれば問題なく利用できます。
まとめ:時代を超えて愛される元祖の矜持とこれからの味の三平
昭和、平成、令和と激動の時代が移り変わるなか、派手な流行や奇をてらった演出に背を向け、愚直なまでに「滋養ある一杯」を提供し続けてきた札幌「味の三平」。文具店ビルのワンフロアという特異な場所で守られてきたものは、単なるレシピではなく、食を通じて人々の健康と幸せを願った創業者たちの熱き魂そのものです。
ネット上の閉店の噂をよそに、暖簾の向こう側には今も変わらない至福の香気と、温かなもてなしの空気が満ちています。札幌を訪れた際は、ぜひ大丸藤井セントラルの4階へと足を運び、日本のラーメン文化の黎明期を切り拓いた元祖味噌ラーメンと熱々のシューマイを、五感すべてで体感してみてください。 (出典: 札幌 味 の 三平(Yahoo!ニュース))